自然科学研究科の概要

自然科学研究科棟

最近の科学技術の進歩・発展を見ると、各分野はますます専門化する一方、従来の学問体系には見られない新しい境界領域・学際領域が開拓されつつあり、各分野の総合的・融合的協力なしには成果は期待しがたい学問領域が次第に増加している。このような学問の発展に寄与するためには、高度に専門化された知識とともに、基礎的な知識の上に立って広い応用分野に対応できる能力、識見が要求される。また、今日の複雑・多様化する社会においては、特定の分野に限定された専門家ではなく、広い視野を持ち、基礎学力に裏付けられた専門知識と柔軟な応用能力を身に付けた実践的人材が必要となってきている。

 

自然科学研究科は、上記のような学問的・社会的要請に基づいて、理・工学部を主体として、本学の他の自然科学系の協力により、多方面の複合領域に柔軟に対処し、堅実な基礎学力と広い分野にわたる応用能力を備えた総合的視野を持つ実践的人材の育成を目指すという新しい理念に基づいた新構想の3専攻10講座からなる後期3年博士課程の独立組織として昭和63年に発足した。

 

その後、上述のような新領域の学問分野の急速な進展と多様な社会的要請に対応するため、平成10年度には既設の3専攻に加えて、4番目の専攻として「物質・生命科学専攻」を新設して博士後期課程に再編成し、さらに平成11年度からは、従来の生産科学専攻・システム科学専攻がそれぞれ「生産システム科学専攻」・「システム情報科学専攻」へと、また、平成12年度には従来の環境科学専攻を「環境共生科学専攻」へと内容を一新して移行し、本研究科の改組は平成12年度に完成した。本研究科の改組では、総合大学の利点を生かして学内の自然科学系分野はもとより、人文・社会系教官の参加だけでなく、学外の先端研究機関との協力による連携講座を設置して社会的要請に応えている。
また、平成10年度より、これまでの理・工両研究科(修士課程)を廃止し、これらを新たに自然科学研究科の博士前期課程(8専攻、36講座構成)として位置付け、教育・研究の先端化・学際化・総合化を図り、多様なバックグランドの人材の受け入れが可能な修士課程からの連続性・一貫性を確立した。

 


研究風景

平成18年度には、理学と工学の一層の高度化と先端融合の機動的展開のため、理学部と工学部に所属していた教員全てを本研究科所属とする大学院重点化・一元化の改組を行い、博士後期課程を「理学専攻」、「産業創造工学専攻」、「情報電気電子工学専攻」、「環境共生工学専攻」、および「複合新領域科学専攻」の5専攻に再編した。新設された「複合新領域科学専攻」は、平成15年度に採択された21世紀COEなど本研究科の個性である異分野を複合・融合し新領域科学を創成する研究教育を目指す3講座から構成され、本研究科を先導する専攻と位置づけている。一方、前期課程においては、博士後期課程との5年一貫教育のための「複合新領域科学専攻」の他に、基礎学部との6年連続教育を強く配慮した7専攻に再編し、専門的能力を中心に学際的・総合的・融合的能力を併せ持つ科学技術の急速な進展と高度化にすばやく対応できる人材の育成を目指している。